11/26/2013

知人の死

所属しているメーリングリストから、お悔やみの連絡が届いた。

私が慣れない海外暮らしを始めて間もない頃、
古紙をアレンジして作られた綺麗で古風な封筒が届いた。

当時はまだお会いしたことがなかった仲だったのに、
慣れない海外生活を労わるお便りと共に、
ちょっとしたおまけのような、お茶漬けやふりかけ等が12つ同封されていた。
ちょうど日本が恋しくなっていた時期に、とてもあったかい気持ちになった。

帰国後、彼女と初めてお会いした時にその手紙のお礼を伝えた。
初対面でも緊張せずに話せる人で、飾らない屈託の無い顔で笑ってくれた。

その後、何かしらの集まりで数回顔を合わせることがあった。
いつも穏やかに笑っていて、皆から親しまれ、場を和ませていたなあ。

彼女は生前、新聞のお悔やみ広告を自ら準備しており、
亡くなった翌日に掲載されたそうだ。

それによると、昨年9月に子宮がん(ステージ)が見つかり、
11月に入院手術をしたとのこと。
しかし、今年6月に再発、転移してしまったこと、
近くに親戚がいないため葬儀は行わず、香典や弔電、供花等を遠慮すること、
そして、お世話になった病院に献体をする旨が記されていた。
最後に、楽しくお付き合いいただき感謝していると結ばれていた。

病気療養について、一部の人以外には告げていなかったそうだ。
私と同時期に入院していたなんて、お互い知る由もなかった。

ほんの数回しかお会いしたことはなかったけれど、
彼女がどんな女性だったのか、どんな人生だったのか、考えずにはいられない。
プライベートな事は何一つ知らないけど、きっとまだ40代でお若い方だったはず。
なんて強くて、潔い、生き方なんだろう。

彼女の遺志を尊重し、来月メンバーで質素にお別れ会をするそうだ。
心よりご冥福を祈る。
彼女の笑顔を思い出す。

11/14/2013

出生前診断

出生前診断を受けた。

初診時に検査内容の冊子を渡され、
検査を受けるかどうか、次回までに決めてくるように言われた。

ドクターの説明と冊子によると、
母親の年齢が高いと、胎児の染色体異常は高リスクになるが、
統計的に出産数の大半を占めるのは若い母親なので、
必然的に染色体異常が検出されるのも、実際若い母親に多い。
そのため、母親の年齢に関係なく検査を受けることができる、とのこと。

検査は11~13週に行われる。
私は12週目に受けた。

エコーで胎児の首のむくみの計測(NT: Nuchal Translucency)、
鼻骨の有無、右心臓弁の血流、肝臓の血流を調べる超音波検査と、
母親の血液から2種類のホルモン値(β-hCG and PAPP-A)を調べる母体血清検査の
2つを組み合わせることで、リスク確立を検出するというもの。

この組み合わせの検査で、約90%の検出ができること、
あくまでスクリーニングなので、高リスクまたは低リスクでも絶対ではないこと、
判断は個人の自由であることが説明された。

日本のトリプルマーカーやクアトロテストという血液検査とは、
検査時期も検査内容も、
そしてリスク検出率にも大きく違いがある異なる検査のようです。
私の受けた、このNT+母体血清(β-hCG and PAPP-A)による検査は、
現在日本でもおこなわれているのかは不明です。

エコーは時間をかけて丁寧におこなわれ、どの項目も正常値だった。
血液検査の結果は1週間後。
低リスクの場合はドクターからSMS(携帯メッセージ)が来るらしく、
高リスクの場合は電話がかかってくるそうだ。
SMSで結果報告なんて、日本ではきっと無さそうだなあ。

費用は日本円で2万円弱だった。
ただし、再診料と通常おこなうエコーや
貧血チェックなどの簡単な血液検査も含まれるので、
出生前診断のみの実質費用は約1万円ほどかと思われる。

そして1週間後、ドクターからSMSが届いた。
数値結果と共に、LOW RISKの文字。
メッセージを読んだ瞬間、正直安堵した。

これら検査に対する意見は、人によって賛否両論様々だけど、
実際自分の身に降りかかり、いざ当事者とならないと、
なかなか本心は出てこないのじゃないかと思う。