7/06/2013

術後半年健診

一時帰国で先月の予約をキャンセルしたため、
正確には術後7ヶ月健診となる。

現在の状態は、以下のとおり。
傷口付近はまだ硬く、シコリのようなものに触れる。
全体的には、柔らかさが戻ってきた感じがある。
相変わらず、時々だけど内部に激痛が走ることがある。
放射線痕はかなり薄くなってきた。

駅から徒歩で病院へ。
ローカルなら嫌がって車で行く距離を、余裕で歩いて行く。
でも、途中の歩道はだいぶガタガタで、
おまけに車道が近く、皆ガンガン飛ばしまくってるせいで排気ガスがすごい。
まあ、歩道があるだけマシ。

待ち時間は30分ほど。
隣のソファに座ってる若い女性が、
胸部全体を黒いスカーフでカバーして、
何やらモゾモゾしたかと思うと、
ウィーンウィーンと機械音がスカーフ内部から漏れてきた。

なんなんだ?何してんだろう?
あ、もしかして、搾乳ってやつ?
いや、分かんない。でも搾乳以外に思いつかない。赤ちゃんいないし。

一定の間隔でウィーンウィーン鳴ってる。
気になる。

乳腺外科外来の待合室だから、
やっぱ乳関係よね?やっぱ搾乳か?と、ひとりで悶々とする。
この状況で質問も気が引けるし。
でも、気にしてない風にして、TVのインドドラマで気を紛らす。
何言ってるかさっぱり分からん昼ドラ的なメロドラマは、さすがボリウッド、大げさな展開。
結局、機械音の正体は分からず呼ばれる。

4ヶ月ぶりのドクターは、いつもより明るい感じ。
まぶしいオレンジ色の無地のワンピースがすごく似合ってた。
こういうのってなかなか日本人は着ないけど、素敵だなあと思った。

まず、丁寧な触診から。
「元気?痩せたんじゃないの?ちゃんと色々全部食べてるの?」
「めちゃめちゃ元気です。ベリーグットです。全部食べてますよ」と嘘を言う。
元気なのは本当だけど。

次は超音波。傷跡付近のシコリ部分でドクターの手が止まる。
シコリの上で何度も機械を動かして、モニターを確認する。
かなり焦る。

「これは傷ね、傷よ。ほらこれが傷よ。再発じゃないわ」とドクター。
私もモニターを凝視して、深部まで傷が入っているのを確かめた。
ナイフでざっくり切られたような、真っ直ぐ伸びた傷が見える。
何度も見せてくれて、安心する。
気になるシコリは、傷が治る過程で肉が硬くなっているものだそうだ。
局所再発のシコリと見分けが難しいらしい。

健側の右側も丁寧に検査。
一瞬シコリのような影が映って、慌てて尋ねると、
「これ?ニップルよ」だと。
ああ、焦った。

着替えをしていると、
「タモキシフェンは服用してないの?なぜ?」と聞かれ、
あれ?前回説明したのにな、と思いつつ、
「妊娠希望なんで、日本の先生と相談してそうなりました」と答えた。

「ああ、そうだったわね。子供が欲しいんだったわね。
そうねえ、そろそろいいと思うわよ」


なんだか前回と先生言ってることが微妙に違う。
今回、その許しをもらおうと、あれこれ言う事を考えて来たんだけど。

「前回、ドクターに最低1年は待つように言われたんですが、
体調も順調だし、再発の不安だけに囚われるのもストレスだし、
そろそろ子供を考えたいんです。私の再発リスクはそんなに高くないんでしょう?」

「そうね。でも本当ならば、術後1年の健診で血液検査とCTをして、
何もないと分かってからのほうが、精神的にも安心じゃない?
ちょっと早いけど、次回10月の健診で全身検査をしましょう。

でも、その時点でもし妊娠していたら、検査項目を変えるから大丈夫よ。
まあ、どちらになるかまだ分からないけどね」
素敵なスマイルで言われた。

ということは、どうやら妊娠のお許しが出たみたいだ。
うまいこと妊娠できるかは別問題だけど。

「妊娠で悪い影響はありますか?
逆に良い影響になったりしませんか?生理が止まるわけだから。」
ホルモン療法は、卵巣の働きを止めてホルモンの分泌を操作するのだから、
妊娠でも似たような作用が期待できると、日本の先生に言われたこと。

「確かにそういう意見もあるわね。
でも、あなたはホルモンレセプター(ER・PR)がポジティブなタイプだから、
妊娠によって何かしらの影響はあるかもしれない。
とにかく、妊娠したとしても定期的な検査を続けましょう」

ということで診察終了。
終わるとすごくほっとした。

診察後、看護士と次回予約などについて話す。
もし妊娠したら予約内容を変更するから電話をするように、とのこと。

他に色々話をしていたら、最近乳がん患者が多いそうだ。
つい最近も、20歳の女性が癌と診断されたそうだ。
あなたもちゃんと検診してるの?注意してね、と伝えて会計に行く。
看護士の彼女はまだ24歳だって。若いなあ。

術後半年健診も無事に終えることが出来た。

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