12/07/2012

入院2日目 手術

昨晩は眠剤のお陰でぐっすり眠った。

午前中の手術に控え、着替えを済ませてお呼び出しを待つ。
昨夜から断食で、今日は一日何も口にすることは出来ない。
手術室へ向かう前に、空腹のまま、部屋でストレッチャーに横たわり、
緊張を和らげるための筋肉注射を肩に打たれる。
激痛。

人によっては、この注射でうつらうつらとなり、
ガチガチに緊張する人は、この注射後もギンギンに目を見開いて起きてるそうで、
きっと私にも効かないだろうなーと思っていたら、
うつらうつらどころか、この先の記憶が無い。
手術室では、全身麻酔前に名前の確認があるらしかったけど、聞かれた覚えはまるで無い。

唯一覚えているのは、術後まもなく、
誰かに手を差し伸べ、手を握ってもらい、
その誰かの手の温かさに安心して涙が出て、その涙をまた違う誰かが拭ってくれた事。
(やはりそれは看護師さんの手だった)

「全て予定通り。リンパ節転移も無かったよ。」
またどこかから誰かの声が聞こえて、一気に安堵感が広がった。
そこから再度、記憶が遠のく。

目覚めると、今度は部屋のベッドで寝ていて、耐え難い腰痛が待っていた。
胸は包帯とスポンジで圧迫され、
サラシのようなものでグルグル巻かれて苦しいのだけど、
それよりも遥かに腰痛が半端無く、腰が砕け割れるかと思う程に酷い痛みに襲われた。

過去にも、全身麻酔で手術をした経験は何度かあるのだけど、
同じ姿勢で寝ていたからといって、こんなに酷い腰痛に襲われたのは初めてだった。
生理時の腰痛の100倍くらい。

相方が面会時間の最後まで付き添ってくれ、
腰にクッションを挟んでくれたり、水を飲ませてくれたり、
早速の私の愚痴を横で黙って聞いてくれた。
相方が帰ってしまうと、そこから長い長い夜が始まった。

包帯とスポンジで圧迫しているが故の胸の息苦しさと、激しい喉の渇き、
39度の高熱と頭痛、そして猛烈な腰の痛み。
麻酔が切れてくると、今度は胸の圧迫痛が耐え難くなり、
腰痛で体勢を変えたくても、胸が痛くて身動きが取れず、ベッドの中でもがき苦しんだ。
色んな管も体に入っていて、相当に煩わしかった。

少しでも楽な体勢を確保するため、動かせる範囲で必死にモゾモゾ動く。
5分も経つとまたつらくなり、また次の体勢にすべくモゾモゾ。
1時間経ったと思って時計を見ても、まだ10分しか経っていない。
その繰り返し。

あまりにもつらくなると、ナースコールでヘルプを頼んだ。
解熱剤と鎮痛剤を飲み、これで少しは眠れるかと思うが、腰痛には効かず。
雪山で遭難したり、どこかに閉じ込められている人や寝たきりの人たちの気持ちは
こんなものなのかなと、苦しいながらも妄想が広がった。

本当に本当に長い夜だった。
術後ゆっくり眠りたいのに、結局一睡もすることはできなかった。
あんなに朝が待ち遠しかったことは無い。

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